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2024 春合宿 前日談

2024年春合宿 記事リスト Day0
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Day5


 
皆さんごきげんよう。13期S(Merida)です。 



 今回は2024年3月14〜18日にかけて行われた4泊5日の春合宿ではなく、春合宿がどのように計画されたか、並びに現地まで自走で向かう、僕S(Merida)と同期のT(Cervelo)の前日までの様子をお届けします。


 今回の春合宿、計画を任されたのは13期。サイクリストならば琵琶湖を走ってみたい!せっかくなら、琵琶湖を中心に関西の山を味わいたい。これがことの発端です。そして毎度のことながら「現地まで自走しよう‼︎」と考え、同期T(Cervelo)を巻き込み長い道のりに挑みます。


203km 獲得標高1277m


 僕の合宿は3日前(3/11)の深夜0時から始まります。辺りは真っ暗で、この時間に新たな1日を迎えているのは僕だけだと、何故か心躍っていました。


 深夜2時、同期T(Cervelo)と合流し西へと駒を進めます。ハァハァと息が荒れつつも、漆黒の闇にいる恐怖から疲れは感じません。ペダルを回すにつれて街灯は少なくなり、車は姿を消します。


ギコ

  ギコ 

     ギコ

         ヌ〜ン。「のつ!]

→出典(講談社“しかのこのこのここしたんたん„)


黒いキャンバスの中に突如として現れた野生動物。あいにく、鹿せんべいは持ち合わせていないので、そそくさと前進します。


 富士山を右手に通り過ぎ、朝日が顔を出します。夜通し走っていたこともありグゥ〜グゥ〜と腹の虫の声が...。

「ファミレスがあったら食事がてら休憩しよう!」同期のT(Cervelo)とそんな会話をしながらペダルを踏みます。道沿いにあるのはガソリンスタンドと薬屋ばかり。空腹からか吐出するひとりごと。まだかまだかと横目に通り過ぎる店の名を唱えます。


ENEOS、スギ薬局、ENEOS、welcia、スギ薬局、ENEOS・・・。




 朝食をとり終え、東海道を走ります。ゴールまでに道のりは残り100km強。半分走り切った喜びとまだ半分ある絶望が脳内で交錯したその時でした。ズキンッズキンッと左膝に痛みが走ります。峠を越え、夜を超え、サイクルコンピューターのタイムは8時間を越え、僕の左脚も限界を超えました。


幸いロードバイクはペダルと足がくっついているため、片脚でもペダルを回せます。右脚はまだ健在。


はい...まだまだ元気です‼︎


ズキンッ

    ズキンッ

        ズキンッ


左脚の脈拍が手に取るように分かります。

そしてペダルを踏みます。


ズキンッ 構わずペダルを踏みます。


ズキズキンッ 踏みます。


ズキッ 踏みます。

    「お〜いどこまで行くんだ〜?」


信号が赤になったその時でした。地元のおじいちゃんローディーと遭遇。行き先を伝えると、途中まで一緒に走ることに‼︎ この辺りをよく走っているそうで、道には詳しいとのこと。ありがたく前を引いてもらいます。


25km/h  うんうん。楽チン。

30km/h うん。...。

35km/h  ん? んん?


次第に速度計の値が大きく変化。先頭を走るおじいちゃんはグインッグインッと加速します。ハァハァと我々2人は息が上がり、相変わらず左脚はボイコットを続けます。左側から海風が松原を抜け、到来します。


 「頑張れよ!」と別れ際に一言。右手の親指を立て左折する後姿はまるで戦闘機のパイロットのようでした。




 その後は惰性でペダルを回し、やっとの思いで目的地に到着。200km走り切ったその姿は放心状態そのもの。その疲労は深い眠りへと僕らをいざないました。






 ザーザーと雨音が2日目の到来と共に響き渡ります。ズキンッズキンッと雨音と協奏する我が左脚。...。


窓の外をただただ眺めるT(Cervelo)。しばらく沈黙が続いた後、我々2人は決断しました。


「輪行だ‼︎


観光♪ かんこう〜!



 


 3日目の朝。昨日までの天気は嘘かのように朝日が我々を照していました。左脚は昨日休んだこともあり、心の中では完治。

そう、心の中で‼︎ ということで、今日も今日とて自転車に乗ります。

 

152km 獲得標高798


 天気に恵まれ幸先よくスタート。しかし風が我々を阻みます。ペダルを踏んでも踏んでも一向に前に進みません。先頭を2人で交代しながら走ります。

強風区間を抜け、次に待ち受けていたのは鈴鹿峠。今度は登りが我々を阻みます。




 峠を登り終え、道の駅あいの土山で一息。



 近くにある田村神社を休憩がてら散策。交通安全のお守りを入手!即座に出発します。

ここは平坦な道。風もなくとても走りやすい道。先程までの足止めを取り返すように軽快に駒を進めます。点々と並ぶ信号機は「どうぞ先へ。」と言わんばかりにタイミングよく青の光を灯します。


おぉ‼︎また青。

ラッキー!青。

赤か?いや青だ。

あお〜。

ギュインッッッッッッ‼︎


 前方から勢いよく右折する青い車。ドライバーのおじいちゃんは直進する我々に気づいていません。必死に避けようと僕はペダルを踏み前に。T(Cervelo)はブレーキをかけ後方に。車体は目と鼻の先、ほんの数メートル。

( ゚д゚)ハッ!ここでやっとドライバーのじいさんが我々の存在を認識!!!.......。


咄嗟の判断が功を奏し、お互い接触することなく事なきを得ました。先ほど購入した交通安全守り。厚さわずか数ミリのそれが重々しく感じました。



 ゴールまで僅か15km。ここに来て再び登りが立ちはだかります。琵琶湖を越えた喜びは何処へやら...。ノロノロと赤いランプを灯しながら連なる自動車。やがて、下り口調へと変わり、京都の街中が目の前に広がりました。観光客が街中を埋め尽くす中、ピチピチの格好をした我々。場違い感に苛まれながらそそくさと駆け抜けます。そして...。







 太陽は西の空に隠れ、京の街をだんだんと薄暗く染めていった。我々2人は走り切った達成感と疲労が入り乱れ、まわりまわって無感情だった。大浴場。汗を流し一息。蓄積された疲労が湯船に溶けて行く...。


S(Merida)「疲れた。」

T(Cervelo)「疲れた...。」

S(Merida)「走り切ったな。」

T(Cervelo)「やっと終わった。」


「・・・。」


 1日酷使したからかピクッピクッと意識とは関係なく体が動く。湯船に広がる波紋。会話が途絶え沈黙と化す風呂場。我々はわかっていた。忘れようとさえした。でも理解していた。ここが終わりではないということを...。


 明日、合宿初日を迎える。


 


 最後までお読みくださりありがとうございました。いよいよ次回のブログは合宿初日です。京都、滋賀、福井を巡る合計400kmほどのルートになります。尚且つ、山を味わえるようにと迂回に迂回を重ねた最高傑作‼︎

春合宿本編で何が起こるのか見ものですね。

それではまたどこかでお会いしましょう。


I’ll be back!!

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