「俺はな、悔しいよ」
場所はサイゼリヤ。男4人はうつむき黙して、自身の前のグラスをただみつめていた。口を開こうとする者はいない。
「俺は、俺は、もう一度ピコに登る」
3人の視線が男一人に向けられた。各人ともに言葉はないが、その視線には確かな熱があった。男たちは互いに顔を見合わせ、うなずき合う。先ほどまでの陰鬱な影は消え失せていた。その顔には覚悟がある。彼らは席を立ち、一人また一人と新宿の夜に溶けていった。
お会計6978円。
君たちお金は?
どうも! 今回は毎度おなじみ口を開けば面倒くさいことしか言わない私HMDが記事を書かせていただきます!
そもそもなぜ長野なのか。去年は長野善光寺で行われていた御開帳をみるという目的があって、長野までロードバイクで駆け抜けたのであります。
しかし、今回は御開帳はありません。
では、なぜ?
そこにPIKOがあるからさ。
説明しよう。PIKOとは戸隠(長野市街から20km強、標高1300m)にあるロッジであり、去年の長野ライドでそのあまりの宿泊費の安さ(2500円)に目がくらんだ某筋肉バカが予約してしまった宿である。
~前回までのあらすじ~
2015年、我々はPIKOに負けた。大隈講堂~長野駅間200kmを走り切り、疲れ果てた我々をPIKOは蹂躙した。
街灯のない真っ暗な道、容赦のない斜度、その距離、そして疲労により心を蝕まれたメンバーたちの内部分裂。
どんなに走っても登ってもPIKOは見えてこなかった。
最後は宿の方がハイエースで迎えに来てくれてメンバーを回収してくれたのだった。
我々はこの雪辱を晴らすべく、大隈講堂~長野駅間を走ったうえでPIKOまでたどり着くことを目標としたのだった。
前回は群馬県高崎までの100kmを一般道を走っていきましたが、今回は時間短縮を狙って信号のない荒川サイクリングロードを北上するルートで行きます。
確かに足を止めないでいいので楽なのですが、上流に行くほどサイクリングロードは狭く、曲がりくねっていき、思ったほど快適には走れません!地味に疲れつつも熊谷へ。
熊谷~高崎はサイクリングロードがないので、一般道で行きます。
ここで問題が...
向かい風だねぇ...
まっっったくスピードが出ません。
4人で先頭交代するもサイコンに表示されるのは23~27km/h...
みんな顔がこわばっていきます...
へとへとになりながら高崎に着くと、ここから最初の関門、碓氷峠への上り坂が始まります。
ここでまた問題が...
時間おしてね?
去年高崎に着いたのが10時。碓氷峠を登り切ったのが13時半。
今年高崎に着いたのが12時半。ということは碓氷峠登り切るのは単純計算で15時半...
いやいやいやいやいやいやいや
今回の目標はPIKOなんだよ?長野駅から25kmで標高1300mなんだよ?
そもそも碓氷峠登り切って軽井沢から長野までまだ90kmぐらいはあるよ?
去年あんだけ真っ暗闇のなか死にもの狂いで登っても着かなかったのに、今年これ着くの...?
わかるか?もう日が傾いてんだぜ...?
碓氷峠を登り切って時刻は....
17時30分
おしまい。
これそもそも長野着かないね。
一同完全にメンタル崩壊。
合言葉は・・・・・・・
♡輪行♡
ってなわけで気が付くと我々は長野駅にいたのであった!!!!!!!
軽井沢~長野間を電車に頼った我々は21時に長野駅に降り立ちました。
ちなみに筆者はすでに一度碓氷峠のふもとまで輪行してます。
「これPIKO登るやつっすか」
「(無言)」
はい。電話!
???「あの~すいません、どうやらこのままだとPIKOに着きそうもないのですが...あ、はい。本当ですか!?ありがとうございます!!」
ハイエース召喚
うん、まあしょうがないよね。向かい風つらかったし、時間おしてたし、疲れたし...
ということで、PIKOの方にハイエースで長野駅まで迎えに来てもらいました。
まとめ
そもそも今回はPIKOにリベンジすることもできませんでした。
「プロデューサーさんは、私たちの良いところは『元気』だ、って…。だけど、だけど……」
「『元気』なんて、『ペダルを踏む』なんて、誰でも出来るもん…!」
「何にもない…私たちには何にも…。」
「『元気』なんて、『ペダルを踏む』なんて、誰でも出来るもん…!」
「何にもない…私たちには何にも…。」
そもそもその「元気」すらもなかったのですがね、我々。