どうも!
六月に二十歳となりました、二年M(RIDLEY)です!
Nogleisで二十歳といえば、ブルベ! 早速夏休みに参加することにしました!!
ん〜最初はやっぱりお手柔らかに200kmかな?
それとも、もうそれなりに経験積んでるし300km出ちゃう??
…………
うん。
まあ、タイトル通りっすね。
無謀って感じです。
BRM822宗谷岬600、行ってきます!
さて、実際のブルベの前に、事前準備について。
ブルベの三日前、同期のYと共に飛行機輪行で北海道に上陸します。
ちなみにこのときロードバイクを収納したのはOSTRICHのOS-500トラベルバッグ。航空会社Vanilla Airを利用したところ、無料受託手荷物の規定サイズをオーバーしてしまい、二人とも追加料金を空港で支払って飛行機に乗せました。みなさん乗る前に航空会社の規定をよくチェックしておきましょう。
何かトラブルがあった場合に対応できるように早めに着いたのはいいものの、暇です。
北海道の食を堪能するのは当然として、食べている時間以外はどうしようとなりました。
そこで、天才Yくんは名案を出しました。
「走ろう」
ひまわりの里、行ってきました。
ブルベ前日。明日600km走るというのに、なぜ僕らは70km以上も走ったのでしょうか。僕にはYくんの思考回路が理解できません。
当然疲れ果てた僕らは、早めに就寝しました。
そして翌朝。
5:00に起床して、15kmほど走ってスタート地点〝道の駅たきかわ〟に行きました。
ルートは、滝川市スタートで、西側の海岸線沿いに走り、宗谷岬に到着。それから内陸部を通って、また滝川まで戻ってくるというものです。
短いブリーフィング後、車体チェックをされた人から順にスタートしていきます。僕たちは最後尾あたりでした。
8:00
スタートしてすぐに気付きました。
さすが600ブルベに挑戦する猛者たち。速い!
しかしブルベ経験者のYが「着いていこう」と提案してきます。僕たちは無茶をしない程度に、速い方々の後ろにつくことにしました。
もちろん途中先頭を引けそうなら引きます。
最初の50kmほどは下り基調で、追い風ということもあり、快調に進めました。
北海道の大自然の中、交通量も少ない道を走るのは最高に気持ちよかったです。楽しい!これぞロードバイクの醍醐味!という感じ。
海岸線沿いに出ると、少し向かい風気味の横風が吹き始めました。
しかしまだまだ序盤。体力が有り余っている頃というのもあり、ほとんど気になりませんでした。
また、周囲の景色の影響もあったのかもしれません。
左側に視線を向けると、広い、ただただ広い海が展開されていました。
綺麗でした。
浜辺に打ち寄せる白。浅瀬のアクアブルーは奥にいくにつれてその色も深く染まっていきます。濃紺にまで暗くなると、そこはもう真っ直ぐに続く地平線です。そして、何よりもその先に見える利尻山。海上に聳える山嶺は薄い雲を纏い、神秘的な空気を醸し出していました。
写真は撮っていません。
なぜなら画面上のピクセルではその美しさの10%も表現できないと確信したからです!!(
11:55、PC1に到着。95km地点。
ここまでコンビニ休憩無しです。ほとんどコンビニがなかったというのもありますが、気持ち良くてとる必要がありませんでした。
周囲の見るからに経験者の方々はろくに休憩もせずに次々と出発していきます。
彼らは疲れない程度に走り、短い休憩で再出発する。淡々とゴールを目指しているなと僕は感じました。これが正しいブルベの攻略法なのかもしれません。
でも、僕たちはのんびりと居座ります。
まあ、バカだからでしょう。
走って疲れて、たくさん休憩するスタイル。若者の特権だぜ!
三十分ほど休憩して、再出発。
八月の正午過ぎだというのに、全然暑くありません。時折誰かの後ろにつきながら、僕たちは海岸線沿いを進みます。
本当に真っ直ぐな道が続きました。しかもコンビニどころか、建築物がほとんど見当たりません。北海道はやはりまだ未開拓地なんでしょうね。
17:35。200km地点。
この辺りから、僕の心境に変化が生まれ始めます。
まだまだ続く海岸線沿いの真っ直ぐな道。太陽は沈み始め、気温がどんどん下がっていきます。僕は半袖ジャージの下に一枚長袖を着ているだけでした。くそ寒い。
しかも、この海陸風。強く吹き荒れる寒風は僕の体温を奪っていくばかりか、向かい風として僕らの進行を妨害します。
進まない。
景色は変わらない。寒い。暗い。帰りたい。
左側には、まだ海に浮かぶ利尻島が見えていました。
美しかったその光景は、もはや僕の瞳に別物として映りました。
遠くの利尻山はただの曇った日のお山さんにしか見えません。全然珍しくねえよ。
浅瀬のアクアブルー? ただの水色やんけッ(激怒)
しかし、泣きわめいてもゴールには着きません。
僕たちは淡々と進みました。
結構無言でした。でも、無言だとYが眠くなると言うので、何かとりとめのない話をしていたことを覚えています。
個人的には200〜300kmが一番辛かったです。
希望が欲しい。
僕たちはそう願い、ルートを少し外れてラーメン屋によることにしました。
スープの温かさが身にしみる。極寒から僕らを救ったあっさりとした味。今なら心の底から言えそうだ、「おいしかったです」って。
少し元気を貰いました。
店を後にした僕らは、日本の最北端を目指します。
傘がいらない程度とはいえ小雨が降る中、35km暗闇を走りました。
270km地点、時刻は22:30。
海は真っ暗、空気は冷ややか。特に何も見えません。つまらん。トイレによって、僕たちは早々に宗谷岬を後にしました。
最北端を過ぎた。つまり、ここからは折り返しだ!
その意味。
それは、今までが向かい風だった分、その風が僕たちの味方になってくれるということ!
疲れた肩を押してくれるんだ!
さあ、追い風が、僕たちを待っているっ!!
え、まさか追い風って最初の50kmだけで、あとは全部向かい風/横風な感じですか?
神は僕らに550km追い風なしで走れって言うんですか???
oh my god.....
絶望していても、寒いだけだ。
僕たちはまた淡々と漕ぎ始めました。そう、600ブルベに出た以上、ペダルを漕ぐ以外に僕らに選択肢なんてないんだ……
365km地点。PC4。時刻は3:05。
ブルベ開始から19時間。僕たちはようやく仮眠所にたどり着くことができました。
そこで僕たちを歓迎してくれたのは、菓子パンやカップ麺。
こんな真夜中に受付してくれた上に、食糧まで用意してくれて、AJ北海道さんには本当に感謝しかありません。ありがとうございました。
僕たちは体育館にダンボールを敷いて、三時間弱の睡眠を取りました。
正直昨夜の疲れが取れているとは言い難い状況でした。全身が痛い。Yは特に膝が、僕は特にお尻が激痛でした。
それでも進む。進むしか道はないのだから。
二日目は山岳ステージだと囁かれていました。
今までほとんど平地だった分、内陸部の山を乗り越えなければなりません。
さほど最大標高は高くありませんが、地味な峠が続くといった印象でしょうか。万全な状態ならばそれほど辛くないのかもしれません。でも、もう370kmも走ってる上、まだ230km以上も残っています。時速10kmとかでちんたら登ります。
二日目の天気は曇りときどき晴れ。止まっていると昼でも肌寒かったです。
462km地点。PC5。時刻は11:37。
昼飯どきなので僕はがっつり豚肉丼と、タコ野菜サラダ的なものを食べます。このときYは「食べれん」と言ってヨーグルトだけにします。
告白すると、正直僕はここで少し相方のDNF(いわゆるリタイヤ)の可能性を考えました。あと150kmほど、大丈夫かと。
そう思わせてしまうほど、過酷なライドでした。当然ですね。ろくな睡眠も取らずに600kmも走ろうというのだから。
しかし、Yは僕の予想に反して普通に進んでいきます。過去のブログで名言(?)を残しただけのことはありますね。
途中の平地、Yが自販機のマウンテンデューでカフェイン注入。Y曰く、市販の炭酸飲料の中で最もカフェイン含有量が多いそうです。少し分けてもらった僕も、プラシーボ効果で目が覚めます(笑)
ちなみに自販機で買ってるのは周囲にコンビニがなさ過ぎるから。はよ開拓せんかい。
この辺りではもう、特に坂は同じペースで走るのがきついので、各々のペースで登っていました。
登った分だけ、下りがあります。
今回のコースは緩やかな下りが長く続いたので、比較的走りやすかったと思います。
さらに、ようやく追い風も吹いてきていました。
僕たちは再び快調に進みました。(この区間のYが速過ぎて、どこにこんな体力残してたんだ!?ってなりました)
ゴールも近づいてきたことで、気持ち的にも楽になったのでしょう。
元気を幾分か取り戻したように、飛ばしていきます。
残り70kmほどのコンビニで他の参加者さんが「ここまでくればもう完走できるでしょう。お互い最後まで頑張りましょう」と言っていたのが記憶に残っています。
そう、600ブルベだと残り70kmがあとちょっとに思えてしまうのです!
写真を撮ることもせず、僕らはひたすらにゴールを目指しました。(単調過ぎるし流石に景色に飽きた)
そして。
残り10kmを切ったあたり。時刻は19:00前。
最後の登りでした。
ゆっくりと、僕らは二人で登り続けます。もうゴールは目の前。だべりながら、待ちに待った終わりを目指しました。
宿からスタート地点までを含めると、すでに600km以上走っており、もう完走した気分でした。
時刻19:22
走行距離611km
累計時間35時間22分
完走。
長い戦いが終わったって感じでした。
僕にとってこれほどまでに肉体的に、精神的にきついライドはありませんでした。(実際三日ほど筋肉痛が続いて、指の痺れは一週間経ってもまだ取れてません)
しかし、だからこそ達成感も大きかったです。
まあ正直、達成感と疲労を天秤にかけると「もう走らない」ってなりますね。
ここまでコンビニ休憩無しです。ほとんどコンビニがなかったというのもありますが、気持ち良くてとる必要がありませんでした。
周囲の見るからに経験者の方々はろくに休憩もせずに次々と出発していきます。
彼らは疲れない程度に走り、短い休憩で再出発する。淡々とゴールを目指しているなと僕は感じました。これが正しいブルベの攻略法なのかもしれません。
でも、僕たちはのんびりと居座ります。
なぜか!?
まあ、バカだからでしょう。
走って疲れて、たくさん休憩するスタイル。若者の特権だぜ!
三十分ほど休憩して、再出発。
八月の正午過ぎだというのに、全然暑くありません。時折誰かの後ろにつきながら、僕たちは海岸線沿いを進みます。
これは綺麗な光景ですね。
本当に真っ直ぐな道が続きました。しかもコンビニどころか、建築物がほとんど見当たりません。北海道はやはりまだ未開拓地なんでしょうね。
キューシートには「直進51km」と書いてあります。
道の果てが見えないってどういうことすか。
17:35。200km地点。
この辺りから、僕の心境に変化が生まれ始めます。
まだまだ続く海岸線沿いの真っ直ぐな道。太陽は沈み始め、気温がどんどん下がっていきます。僕は半袖ジャージの下に一枚長袖を着ているだけでした。くそ寒い。
しかも、この海陸風。強く吹き荒れる寒風は僕の体温を奪っていくばかりか、向かい風として僕らの進行を妨害します。
進まない。
景色は変わらない。寒い。暗い。帰りたい。
左側には、まだ海に浮かぶ利尻島が見えていました。
美しかったその光景は、もはや僕の瞳に別物として映りました。
遠くの利尻山はただの曇った日のお山さんにしか見えません。全然珍しくねえよ。
浅瀬のアクアブルー? ただの水色やんけッ(激怒)
しかし、泣きわめいてもゴールには着きません。
僕たちは淡々と進みました。
結構無言でした。でも、無言だとYが眠くなると言うので、何かとりとめのない話をしていたことを覚えています。
個人的には200〜300kmが一番辛かったです。
希望が欲しい。
僕たちはそう願い、ルートを少し外れてラーメン屋によることにしました。
「はるき茶屋」のしじみラーメン
スープの温かさが身にしみる。極寒から僕らを救ったあっさりとした味。今なら心の底から言えそうだ、「おいしかったです」って。
少し元気を貰いました。
店を後にした僕らは、日本の最北端を目指します。
傘がいらない程度とはいえ小雨が降る中、35km暗闇を走りました。
宗谷岬です。
270km地点、時刻は22:30。
海は真っ暗、空気は冷ややか。特に何も見えません。
最北端を過ぎた。つまり、ここからは折り返しだ!
その意味。
それは、今までが向かい風だった分、その風が僕たちの味方になってくれるということ!
疲れた肩を押してくれるんだ!
さあ、追い風が、僕たちを待っているっ!!
待っていませんでした。
え、まさか追い風って最初の50kmだけで、あとは全部向かい風/横風な感じですか?
神は僕らに550km追い風なしで走れって言うんですか???
oh my god.....
絶望していても、寒いだけだ。
僕たちはまた淡々と漕ぎ始めました。そう、600ブルベに出た以上、ペダルを漕ぐ以外に僕らに選択肢なんてないんだ……
365km地点。PC4。時刻は3:05。
ブルベ開始から19時間。僕たちはようやく仮眠所にたどり着くことができました。
そこで僕たちを歓迎してくれたのは、菓子パンやカップ麺。
こんな真夜中に受付してくれた上に、食糧まで用意してくれて、AJ北海道さんには本当に感謝しかありません。ありがとうございました。
僕たちは体育館にダンボールを敷いて、三時間弱の睡眠を取りました。
朝6:30。僕たちは起きてすぐにまた旅立ちました。
正直昨夜の疲れが取れているとは言い難い状況でした。全身が痛い。Yは特に膝が、僕は特にお尻が激痛でした。
それでも進む。進むしか道はないのだから。
二日目は山岳ステージだと囁かれていました。
今までほとんど平地だった分、内陸部の山を乗り越えなければなりません。
しかしさすが北海道。山も直線的で長い。
さほど最大標高は高くありませんが、地味な峠が続くといった印象でしょうか。万全な状態ならばそれほど辛くないのかもしれません。でも、もう370kmも走ってる上、まだ230km以上も残っています。時速10kmとかでちんたら登ります。
二日目の天気は曇りときどき晴れ。止まっていると昼でも肌寒かったです。
462km地点。PC5。時刻は11:37。
昼飯どきなので僕はがっつり豚肉丼と、タコ野菜サラダ的なものを食べます。このときYは「食べれん」と言ってヨーグルトだけにします。
告白すると、正直僕はここで少し相方のDNF(いわゆるリタイヤ)の可能性を考えました。あと150kmほど、大丈夫かと。
そう思わせてしまうほど、過酷なライドでした。当然ですね。ろくな睡眠も取らずに600kmも走ろうというのだから。
しかし、Yは僕の予想に反して普通に進んでいきます。
途中の平地、Yが自販機のマウンテンデューでカフェイン注入。Y曰く、市販の炭酸飲料の中で最もカフェイン含有量が多いそうです。少し分けてもらった僕も、プラシーボ効果で目が覚めます(笑)
ちなみに自販機で買ってるのは周囲にコンビニがなさ過ぎるから。はよ開拓せんかい。
峠の頂上でポーズを決めるY。
この辺りではもう、特に坂は同じペースで走るのがきついので、各々のペースで登っていました。
登った分だけ、下りがあります。
今回のコースは緩やかな下りが長く続いたので、比較的走りやすかったと思います。
さらに、ようやく追い風も吹いてきていました。
僕たちは再び快調に進みました。(この区間のYが速過ぎて、どこにこんな体力残してたんだ!?ってなりました)
ゴールも近づいてきたことで、気持ち的にも楽になったのでしょう。
元気を幾分か取り戻したように、飛ばしていきます。
残り70kmほどのコンビニで他の参加者さんが「ここまでくればもう完走できるでしょう。お互い最後まで頑張りましょう」と言っていたのが記憶に残っています。
そう、600ブルベだと残り70kmがあとちょっとに思えてしまうのです!
写真を撮ることもせず、僕らはひたすらにゴールを目指しました。(
そして。
残り10kmを切ったあたり。時刻は19:00前。
最後の登りでした。
ゆっくりと、僕らは二人で登り続けます。もうゴールは目の前。だべりながら、待ちに待った終わりを目指しました。
宿からスタート地点までを含めると、すでに600km以上走っており、もう完走した気分でした。
時刻19:22
走行距離611km
累計時間35時間22分
完走。
長い戦いが終わったって感じでした。
僕にとってこれほどまでに肉体的に、精神的にきついライドはありませんでした。(実際三日ほど筋肉痛が続いて、指の痺れは一週間経ってもまだ取れてません)
しかし、だからこそ達成感も大きかったです。
まあ正直、達成感と疲労を天秤にかけると「もう走らない」ってなりますね。